【連載企画】副業・兼業人材を活用して、
市内企業の活性化と富士市のさらなる発展を目指す

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常葉大学 経営学科小豆川ゼミの学生による、副業・兼業を学ぶ特集企画、第1弾!
今後深刻になっていく労働者不足解決の新しい手段として、副業・兼業を推進している富士市。この副業・兼業推進の活動について産業支援課の松葉さんにお話を伺いました。

副業・兼業を推進していくことに決めた経緯を教えて下さい

富士市には新幹線の駅があり東京からは約60分の距離、人口は約25万人、市内の事業所数は県内3位、製造業の事業所数でも県内3位と県内有数の都市です。
ですが、市内に大学がないために若い人材がどんどん市外へと流出しています。そのまま市外で就職をしてしまう人も多く、市内に帰ってきて市内企業に就職するという若い人材が少なくなっている状態です。これは、景気はいいけれども、人手不足によりお店をたたまなければならない企業が将来的に発生してしまう問題を予想しています。特に市内の製造業の事業所の半数は従業員数が3人以下と、この問題を顕著に受けてしまう企業が多く、この問題を放置していると富士市全体が衰退してしまうという危機感を強く持っています。
富士市では以前より移住・定住を推進してきました。しかし、移住・定住の推進だけではどうしても市外に出て行ってしまう若者の数以上の労働者を確保することが難しいという現実があります。
そこで、働く人を増やすのではなく、少ない人数でも今の企業を回していけるようにすることも必要となります。市内企業のDX化やIT化、マーケティング、広告など専門的な人材がいないために解決したくてもできない課題、やりたくてもできない事業などを、首都圏にいるDX人材やIT人材をはじめとした副業・兼業人材を活用することで、市内企業の方々ひいては市全体を盛り上げていきたいという思いが、経緯となっています。

副業・兼業を行うメリットを教えてください。

一番のメリットとしては企業の課題解決につながることです。
企業の方々は製造の効率化を図りたいという課題もあれば、うちの製品をもっとうまくPRしていきたい、マーケティングを本格的に行っていきたい、など様々な課題があります。しかし、それを解決したくても解決する技術やノウハウがない、そもそも課題解決に回せるだけの人員やコストが足りていないといった様々な障害が存在します。そこで、企業それぞれが持つ課題に対して副業・兼業人材を用いることで、これらの障害を回避しながら課題解決にあたることができるというのがこの副業・兼業を行うメリットであると考えます。
実際、過去に富士市内の企業では経営を見直したいという課題に対して、副業・兼業人材を利用して現行の商品の拡販、新たな事業や商品の企画、マーケティングなどの事業を展開する新部署を立ち上げて運用するという事例もあり、副業・兼業人材を企業の課題解決のために利用することはとても有効です。

以前も東京のイベントで1時間ほど話しただけで、複数の企業の方々から富士市に興味があるというお声がけをしていただくことができました。首都圏には一人で起業しているDX、ITなどの会社は多く存在しており、また、市内企業の持つ課題を自分たちなら解決できるという自信を持つ首都圏の企業も多く存在します。彼らの視点からすると企業の持つ課題はそのままビジネスチャンスになるわけです。ですから、企業側からこんなことをやってみたい、ここを改善したいといった課題や要望さえ挙がっていれば、それに合った人材とマッチングすることは難しいことではないと考えます。

市内企業は、副業・兼業人材をどう確保すればいいのでしょう。

現在、産官合同で首都圏などから集めてきた副業・兼業人材とマッチングできるサイトがリリースされています。このサイトに登録していただくことで副業・兼業人材とのマッチングを行うことができます。サイトでは登録料、仲介手数料が無料です。
もちろん、無料で利用できるということもあるので登録される副業・兼業人材にはばらつきが出てしまうことも考えられますが、市内企業の方にミスマッチな人材を紹介して問題が起こってしまわないよう、マッチングする副業・兼業人材については必ず面談を行い、仕事意欲や人柄などを判断してから慎重にマッチングしていくサービスとなっています。

富士市での副業・兼業人材を活用した取り組みはまだ始まったばかりですが、副業・兼業人材について深堀をしていくと、首都圏や他の一部地域ではすでに取り入れられて結果を出している企業も出てきていることが分かりました。また、日本が直面している少子高齢化により労働人口の減少している今だからこそ、この様な新しい取り組みを活用し、普段交わることのない人材と一緒に仕事をすることで、新しい価値を生み出していくことが必要になってくるのだと感じました。