富士市での働き方が変わる!
プロジェクト担当者が語る「テレワーク推進事業」

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令和2年8月に「デジタル変革宣言」を発表した富士市。
その後、主要な取り組みのひとつ、「テレワーク先進都市の実現」のため「テレワーク推進事業」が発進しました。

富士市 産業交流部 産業政策課 松葉剛哲

デジタルの力で、富士市の問題を解決していきたい

このプロジェクトはどのようにしてはじまったのですか

5年間のテレワーク先進都市への行程として、市内企業にテレワークを推進することと首都圏から企業やワーカーを呼びこむための施策を盛り込んだ「富士市テレワーク推進ロードマップ」を令和3年3月に作ったことから動き出しました。

プロジェクトに対する市内企業の反応はいかがですか

富士市は製紙を中心とした製造業のまちなので、現場作業が主になります。テレワーク=在宅ワークというイメージが強く、テレワークは無理だと考えてしまう企業が多いのが現状です。事前アンケートでは、8割の企業がテレワークに興味がないという結果がでました。興味がない人々へのアプローチは、簡単ではありません。

国は令和3年に「デジタルの力を活用して地方の課題を解決しましょう」という内容の「デジタル田園都市国家構想」を発表しました。富士市は製造業だからテレワークもDX化もできないと言っていたら取り残されてしまいます。富士市には人口が減っているという問題がありますので、デジタルの力でこの問題を少しでも解決していきたいと感じています。

具体的にどんなアプローチをしていますか

テレワークという言葉には、在宅ワークだけではなく、サテライトオフィスやコワーキングスペースでの仕事だったり、DXやIT機器を使って仕事を効率化していくという意味も含まれています。まず、この意味を伝えていこうと令和3年~令和4年度の今は、意識改革・周知に力をいれて頑張っているところです。そして令和5年度には転換期を迎え、テレワーク推進センターを立ち上げるという構想もあります。

アプローチのひとつとして、中央図書館分館1階に地元企業がリモートワークなどを体験し、無料で相談できる「テレワーク実践会議室」を設置しました(予約制)。そこには、オンライン会議ができるデジタルホワイトボードやカメラ、マイクなどのIT機器が置いてあり、実際に触ることもできます。8割の企業が興味がないと言っている状態で、急に利用者を増やすのは難しいですが、それでも毎月セミナーやイベントを開催するなど、地道に続けていくのが必要だと思っています。

これまでプロジェクトに取り組んできて思うことはありますか

この1年進めてきて、テレワークという言葉だけだと広がりに限界があると感じました。テレワークが在宅ワークという言葉に置き換えられてしまい、そこをいくら否定してもなかなか広まらないのです。そのため、最近ではテレワークとDXを必ず並列して使うようにしています。DX化という言葉に、オートメーション化やデジタルを使った変革などのイメージを持つ人が多いので、製造業の方に受け入れられやすいのではないかなと思っています。

仕事に新しい視点が加わることで、世界が広がる

今後の取り組みについて教えてください

市内企業が今後、テレワークとDXを一生懸命進めていくのにプラスして、人材を呼び込むことが大切になってきます。「富士市はDX化が進んでいない=富士市には新たなチャンスという種がいっぱい転がっている」ということを、もっと外に発信していきたいです。製造業が盛んな富士市にはすでに多くの取引先があるので、このプロジェクトを機に、首都圏から出張で来る人などが、富士市を気に入ってくれて移住までしてくれたらいいなと考えています。

人材となる移住者を増やすための取り組みはありますか

富士市シティプロモーション課による「富士山のふもとテレワーク移住アシスト」という制度があります。また、産業政策課ではテレワークを通して首都圏から企業やワーカーを呼び込むために、専用のウェブサイトの設置やビジネスマッチング会・モニターツアーを実施して富士市にどのような仕事があるのかを随時紹介しているので、ぜひ活用していただきたいです。

テレワークやDX化を検討中の方へメッセージをお願いします

私が初めてオンライン会議を体験したときに、「好きな場所でコミュニケーションが取れるなんてすごい。移動時間がなくなり、資料の印刷も不要で準備が楽になったり。なによりやっていて楽しい!」と感動しました。テレワークやDX化は、仕事の仕方に新しい視点が加わったことで、世界が広がります。これは素晴らしく、そして何より楽しさを感じられる取り組みです。難しいことは考えず、たくさんの人にまずは体験して、価値や魅力を実感していただきたいです。

◆富士市テレワーク推進ロードマップ概要