【連載企画】富士信用金庫が行う副業・兼業の取り組み
~副業・兼業を通して目指す未来とは~

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常葉大学 経営学科小豆川ゼミの学生による、副業・兼業を学ぶ特集企画、第2弾!
副業や兼業にどのように関わっているのか、そしてどのような取り組みを行っているのかについて、富士信用金庫に取材を行いました。

副業・兼業について、どのようなアプローチをしているのか教えてください。

富士信用金庫では、企業課題を感じている会社に対し、正社員と副業・兼業人材を活用するイメージの違いを伝えながら、アプローチを行っています。
従業員人数が10人未満などの企業からのご相談を頂くことが多いのですが、「新しい事業がしたい」「お客様を増やしたい」という希望がある場合は、正社員を雇って一から育てる前に、まずは経験やノウハウのある副業・兼業人材に入ってもらい、直ぐに新たな事業戦略を展開できる方法を提案します。

企業やフリーランスにとって、副業・兼業のメリットを教えてください。

企業側にノウハウがなく、新しい事業や商品ができないところを外部からプロの人材を受け入れることで新商品の開発などができるようになり、そのノウハウを受け入れた企業側は手に入れることができます。
正社員募集は、求める人材が応募してきてくれない・年収など条件が折り合わない等、採用まで難しいケースが多く存在します。副業兼業では、求人企業側は明確な課題をスポットで依頼し、安価な料金でプロ人材を活用できます。求職者側としても、自分の得意とする領域で働くことができ、働き方に柔軟性(リモート等)があるため採用率が高いところがお互いのメリットになっています。
女性など、子育てなどで忙しく、日中だけ働きたい人もいます。
副業であれば時間を決められ、雇用形態も決めることができるため社会保険や厚生年金を払わなくて済みます。また、オンラインでの仕事が多く移動せずに家で作業でき、数時間だけでも働くことができるため、所得が決まっている正社員よりも所得を増やすことできることも良い点だと思います。

副業・兼業をするにあたって業務提携をする基準となるものはありますか。

基本的にはありません。
しかし、金融機関となると反社会的勢力などのリスクがある企業とは提携が難しく、上場企業のみで縛っているわけではありませんが、リスクが低い一定のガバナンスがある企業を選択しています。また、民間企業同士であるとお金が関係しルールが厳しくなってしまうため、地域外で比較的規模の大きい企業との提携を行っています。

副業・兼業で富士信用金庫が目指す未来を教えてください。

今後地方の労働者は減少していくと考えられます。富士市の主な産業は紙関係と自動車部品関係の2つの産業であり、この2つがいきなりゼロになってしまうことはありませんが、雇用問題で売り上げが減少する可能性が高くなっています。人口減少が進んでいるなか、富士市が選ばれない街になってしまうと労働人口や若者の減少が考えられます。どうしたら稼げる企業になるのかを考えていくと、今まで働いている人たちだけでは限界があるため、東京などの外部の企業のノウハウを地方の企業にいれることで、人が少なくても回る仕組みができます。
今のままだと10年後、20年後には衰退してしまう未来が見えており、富士市の企業が儲かるような仕組みを作る一歩目として副業・兼業を始めました。外部の方たちを受け入れやすくしていくことで副業・兼業を活用している方たちに「富士市っていいじゃん!」と思ってもらい、移住定住やワーケーションなど選択肢の1つとして富士市が選ばれるよう、地域を盛り上げていきたいですね。

副業・兼業という言葉は知っていましたが、実際にどのような取り組みが行われているかなど詳細は知りませんでした。しかし、今回のインタビューを通して、副業・兼業についてアプローチすることで企業やフリーランスにはどのようなメリットがあるのか、副業・兼業を広めていくことでどのような未来を目指しているのかなど、普段は聞くことのできないお話を聞くことができ、貴重な時間を過ごすことができました。