【連載企画】副業解禁により、新たな価値の創造を目指す
常葉大学 経営学科小豆川ゼミの学生による、副業・兼業を学ぶ特集企画、第3弾!
新しい価値の創造を目的として、2018年4月に副業を解禁したコニカミノルタジャパン株式会社の人事部の方に、コニカミノルタジャパン株式会社における副業についてお話を伺いました。
2018年4月に副業を解禁、目的は新たな価値の創造
2018年1月に働き方改革の一環で、政府が主導して厚生労働省がモデルの就業規則を改正しました。その後、コニカミノルタジャパン株式会社も働き方改革の一環として、2018年4月に副業を解禁しました。副業を解禁した主な目的は、コニカミノルタジャパン株式会社の経営理念でもある「新たな価値の創造」です。新たな価値を創造するためには、いろいろなアイデアや経験が必要で、副業や兼業をすることによって得られた知識や経験、人脈などを会社に還元してもらうことが大きな目的です。また、副業ができる会社として評価してもらい、優秀な人材に入社してもらうことも目的の1つとしています。
副業を解禁してから3か月間は副業者ゼロ
副業を解禁した当初は、3か月間は音沙汰ない状態でした。
当時は、今まで一つの会社でしか働いたことがなかったり、本業があるのに副業したりすることをあまり良くないと思う人が多かったのかもしれません。また、平日や休日に、本業プラスアルファで働くことはしんどい、というのが正直なところだったと思います。
現在では、社内で59名が副業を行っていますが、約3300名が働くコニカミノルタジャパン株式会社としては、副業者の割合は約2%にとどまっています。
副業をする上でのルール
現在、副業をする上で、社内で明確に規定されたルールなどはありませんが、副業を行うには申請書を人事部長に提出し許可をもらう必要があります。また、本業に支障がないように自分の健康をコントロールすることや社内の機密情報を漏洩させないことが求められます。
例外として、お金がないからアルバイトをするということは副業として認められません。
しかし、本業に支障をきたすことがなく、自分がスキルアップでき、それを会社に還元することができるのであれば副業をすることが許されるため、比較的副業をしやすい環境となっています。
副業を解禁したことによるメリット・デメリット
副業を解禁したことによって、社員の成長という面で大きなメリットが得られています。副業で自ら会社を経営している人は、社長の考え方や仕事の考え方を、広い視野で見ることができるようになり、主体性を持つようになりました。また、副業で様々な人との人脈を獲得し、本業にも活かされていることなども効果として挙げられます。
一方で、社員が副業をすることによって、その分労働時間が延び、通算の労働時間が長くなり、健康面での懸念が出てきます。また、もし労働災害が起こった場合の経費的な問題や、さらには、社員が副業で成功し、本業を辞めてしまうといったことも起こり、会社が人材を失うといった問題もあります。
今後の可能性
コニカミノルタジャパン株式会社では、今後は副業がしやすい会社として優秀な人材が集まる可能性や、社員が副業によるスキルアップで、会社の成長につながる可能性があります。他の会社で働きながらコニカミノルタジャパン株式会社で副業として働く人が出てくるかもしれません。働き方が多様化して社員がスキルアップすることによって、会社が成長する可能性を秘めているということができるのではないでしょうか。
副業を解禁して、社員が副業で得た知識やスキル、人脈を会社に還元することにより、会社が恩恵を受けることができる一方、社員は自分の趣味を副業にして収入を得ることができるなどのメリットもあるため、副業は双方に大きなメリットもあることが分かりました。しかし、副業をすることによって労働時間が長くなるため、スケジュール管理や健康管理はしっかりと行う必要があるなと感じました。