【連載企画】副業で可能性を広げる
~個人の成長が企業や地域の力に~

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常葉大学 経営学科小豆川ゼミの学生による、副業・兼業を学ぶ特集企画、第6弾!
副業や兼業にどのように関わっているのか、そしてどのような取り組みを行っているのかについて、ランサーズ株式会社の篠原さんにお話を伺いました。

ランサーズ株式会社の仕事内容を教えてください。

兼業や副業、フリーランスなど多様な働き方をしたい人と企業を結ぶプラットフォームを運用しています。プラットフォームというのは、スキルを売りたい人とそのスキルで力を貸してほしい企業とをオンライン上で結びつける仕組みです。

どのくらいの人が利用しているのですか。

フリーランスの登録者は今、150万人を超えていて、毎月かなり多くの方に登録いただいています。企業からは、約210万もの案件が常にあります。
例えば、企業から「2か月後までに静岡県内の公園の写真?動画?を10本撮影してきてください」という仕事内容であれば、子供の面倒を見ながら働きたいというお母さんでも、一緒に公園を回りながら仕事をすることができますし、長い時間働くことができなくても大丈夫です。仕事が幅広くあるため、自分に合った働き方で仕事をすることができます。

地方の企業にとって、この仕組みを利用するメリットは何だと考えますか。

最近多くの企業が動画を作成したり、SNSを運用したりしています。しかし、地方の企業は年齢層の高い人が多く、動画作成のやり方やSNSの運用方法がわからないということがあると思います。そこで、企業の中にいる人ではなく、社外のプロフェッショナルな人に仕事を依頼することができます。プラットフォーム上には依頼できる人が何万人もいるため、身近にスキルを持っている人がいなくても、オンラインで依頼したい人に仕事を依頼することができます。
また、地方の企業は見えない人、目の前にいない人に仕事を依頼するというのはハードルが高く、オンラインで仕事を依頼することに慣れていません。そこで今、金融機関と一緒に地方の企業がオンラインでの仕事依頼に慣れるための活動を進めています。

仕事の発注側の半分以上が都心部の企業で、受注側は約7割が地方在住者となります。そのため、結果的に東京に一極集中しがちなお金の流れや仕事を地域に再配分する仕組みができています。

個人のワーカーが副業や兼業を行うメリットは何だと考えますか。

副業や兼業をすることによって、自分の経験値も上がりますし、両方の企業に貢献できる幅も広がるかなと思います。1つの会社の中だけでやっていると、そのノウハウと知識と知見と人脈しかないため、それがもっと広がりますし、それぞれの副業先で素敵だなとか見習いたいなという人に出会えるので、より自分の学びにもなります。

お話を聞く前は、副業や兼業に対してマイナスなイメージがありました。
仕事を掛け持ちすることで自分の時間がなくなってしまうし、企業にとっては自社の仕事が中途半端になってしまうという懸念があると考えたからです。しかし、インタビューから副業や兼業は自分の視野を広げ、またそこで得たノウハウを活かして仕事に取り組むことができるため、従業員にとっても企業にとってもメリットがあるとわかり、副業や兼業に対してプラスのイメージになりました。
仕事で成長したい、スキルアップしたいという人が増加しており、副業や兼業はその1つの機会になるため、これから副業や兼業を行う人が増加するとともに取り入れる企業も増加するのではないかと考えます。